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さえない男の思い出話

『アニー・ホール』

NYを舞台に描く、コメディアンと美女の出会いと別れ。ウディ・アレン監督が主演。1978年のアカデミー賞作品賞受賞。

初めて観るウディ・アレン監督作品。

もの凄いシニカル。
ウディ・アレン演じるアルビー・シンガーの独白で始まるこの映画。
ー「僕を会員にするようなクラブには入りたくありません」これは僕の恋愛観にも通じます。

とにかく饒舌にベラベラとアルビー・シンガーがよく喋るんだなぁ。何か西尾維新の小説のキャラクターみたいな感じ。

まぁここが字幕で観る難しいところなんだけど、喋りが早すぎて字幕を追いかけるのにいっぱいいっぱいになっちゃうんだよね。俳優の演技や背景の小物にあまり目がいかない。

さらに言えば字幕は当然一人のセリフしか訳せないから一度に同時に喋ると主なセリフ以外何言ってるのか分からないし。言葉遊びの邦訳も限界があるしね。


でもねぇ、面白いんだよ。ディズニーアニメのキャラクターになったり、回想シーンにそのまま現在の姿のまま現われて普通に会話したりと趣向凝らしまくり。

物語は時間軸がグッチャグッチャになってるから、出会いのシーンの前に付き合ってる最中のエピソードが挿入されるから観てるといまいち分からなくなってくる。
でも最後まで見終わるとスッと解決。

要は全部思い出話なんだよね。
ラストに映画のダイジェストのような短い回想が入る。そこがいいんだよ。楽しかったことも、イラついてケンカしたことも別れたあとでは全てが懐かしい記憶へと変わっていく。

新しい男と、自分が何度も観せた映画を観にってるのを見つけて「勝った」と思う。負け惜しみのようなアルビーの最後の独白がなんか泣けてくる。


ウディ・アレン監督はアカデミー賞は21回ノミネートされながらほぼ確実に欠席。作品賞受賞した『アニー・ホール』の際も欠席しているそうな。

by dentaku_no_uta | 2008-03-30 01:51 | 映画