初心者による初心者のための黒澤明入門

何故、今になって黒澤明なのか。
先月までなら没後10年で黒澤特集をテレビでやったりしていたのに。完璧に時期を外した感が否めないが、黒澤明監督について。

ここんとこ、漫画とかそっち系のものしか書いてなかったから、たまには映画についても書いてみようかなと、誰もみてないのに。


黒澤明監督は、いわずと知れた世界的な映画界の大巨匠である。
代表作の一つ『七人の侍』は誰しも聞いたことがあるだろうし、最近は『椿三十郎』や『隠し砦の三悪人』がリメイクされたりもしている。

しかしながら、映画が大好きな人を除くと、実際に黒澤明監督の作品を観たことあるという人は意外に少ないのが実情であろう。
事実、大学に通っていて2年半、黒澤映画が好きという友人とは未だ知り合っていない。ここには私に友人が少ないからという理由を頭から控除していただきたい。

これは映画に限らないけど、名作・傑作といわれるものが、初心者にはその良さが分からないということは良くあることである。
が、黒澤映画は私のような、専門的な知識が皆無の人間であっても、引き込まれ、感情を揺さぶられる作品がほとんどであった。

そんなわけで、まだまだ初級の私が観た中で、絶対的におススメの作品をいくつかあげたいと思いやす。


ただし、『七人の侍』は外す。メジャー過ぎて面白くないではないか!


まずは1960年公開の『悪い奴ほどよく眠る』

権力者に父を殺された青年の壮絶な復讐劇!
汚職まみれの公団の副総裁の娘の結婚式に、公団を模ったケーキに、罪を被らされて自殺した社員が飛び降り自殺をした階の窓に赤い薔薇が差されたものが、差出人不明で届けられるオープニングの時点で心奪われる。
主人公の西に感情が入りすぎて、かなりやばい状態で観ていた。

どうなんの?どうなんの?
と食い入るように見つめたままラストを迎えた後の虚脱感。

黒澤映画は時代劇のイメージが強いけど、社会派の作品も凄い。この映画が一番好きだなぁ。


つぎに、黒澤明最後の時代劇『乱』
1985年公開。シェイクスピアの『リア王』の舞台を戦国時代に移した翻案である。

戦国武将を演じる仲代達也の迫力が半端無い。
家督を巡る息子達の血みどろの争いに絶望していく武将の話といえばいいのだろうか。黒澤監督が「ライフワーク」とも言った超大作で、その迫力、映像美は昨今の邦画ではありえないスケールである。


こちらも、シェイクスピアの作品が原作、『蜘蛛巣城』
『マクベス』の翻訳モノ。ほぼ完璧な翻訳らしい。

物の怪に惑わされ、支配者へ道を登っていってしまった男の悲劇。

「そっち行っちゃ駄目だ~!」とテレビに向かって叫びたくなる作品だった。悪い妻も調子乗って男をどんどんそそのかしてるのみると腹がたってしょうがなかった。その妻が発狂する強烈なインパクトのシーンや、追いつめられた三船敏郎演じる武将に次々と矢が放たれる(なんとホンモノの弓矢使用)クライマックス等名場面多し。


ラスト、これも翻案『どん底』
原作はゴーリキーの同名作。

カメラをいっぱい使って、一発で撮影する方法で撮られたそうな。

超貧乏な長屋で暮らす人々の群像劇。一言で言えば、「救いが無い、観てられない」。黒澤映画には、結構悪女が出てくるけど、この作品に出てくるお杉もかなり強力な人間。鳥肌たつ。

貧乏長屋に暮らす人々はどん底から抜け出せるのか?答えは“なし”。彼らはどうなったのだろうか…。


他にも色々あるけど、ざっとこんなところで。
何といっても、練りに練られた完璧な筋立て、迫力、映像美。巨匠はやっぱり凄いです。

黒澤作品を観ていくと、絶対三船敏郎にはまる。カッコ良過ぎ!!

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by dentaku_no_uta | 2009-01-21 00:49 | 映画