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『アニー・ホール』

NYを舞台に描く、コメディアンと美女の出会いと別れ。ウディ・アレン監督が主演。1978年のアカデミー賞作品賞受賞。

初めて観るウディ・アレン監督作品。

もの凄いシニカル。
ウディ・アレン演じるアルビー・シンガーの独白で始まるこの映画。
ー「僕を会員にするようなクラブには入りたくありません」これは僕の恋愛観にも通じます。

とにかく饒舌にベラベラとアルビー・シンガーがよく喋るんだなぁ。何か西尾維新の小説のキャラクターみたいな感じ。

まぁここが字幕で観る難しいところなんだけど、喋りが早すぎて字幕を追いかけるのにいっぱいいっぱいになっちゃうんだよね。俳優の演技や背景の小物にあまり目がいかない。

さらに言えば字幕は当然一人のセリフしか訳せないから一度に同時に喋ると主なセリフ以外何言ってるのか分からないし。言葉遊びの邦訳も限界があるしね。


でもねぇ、面白いんだよ。ディズニーアニメのキャラクターになったり、回想シーンにそのまま現在の姿のまま現われて普通に会話したりと趣向凝らしまくり。

物語は時間軸がグッチャグッチャになってるから、出会いのシーンの前に付き合ってる最中のエピソードが挿入されるから観てるといまいち分からなくなってくる。
でも最後まで見終わるとスッと解決。

要は全部思い出話なんだよね。
ラストに映画のダイジェストのような短い回想が入る。そこがいいんだよ。楽しかったことも、イラついてケンカしたことも別れたあとでは全てが懐かしい記憶へと変わっていく。

新しい男と、自分が何度も観せた映画を観にってるのを見つけて「勝った」と思う。負け惜しみのようなアルビーの最後の独白がなんか泣けてくる。


ウディ・アレン監督はアカデミー賞は21回ノミネートされながらほぼ確実に欠席。作品賞受賞した『アニー・ホール』の際も欠席しているそうな。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-30 01:51 | 映画

『七胴落とし』

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神林長平、1983年の長編。デビューしたのが1981年だから初期の作品だね。


予備校に通う三日月は、19歳の誕生日を間近にひかえ、言いしれぬ不安に苛まれていた。大人になれば、他人と意識を共有できる感応力が失われてしまうのだ。同級生たちの危険なゲームに誘われる三日月。その身辺に現れる現実とも幻ともつかない少女・月子。崩壊していく現実感覚のなか、祖父が所蔵する妖刀“七胴落とし”の鋭利な死のイメージに囚われていく三日月であったが…(裏表紙より)

この前読んだ『戦闘妖精・雪風(改)』がメチャメチャ面白くて、図書館で借りてくる。小説で全作品読んだ作家って今のところいないんだけど、神林長平は全部読んだみたいな。

自分の読書の嗜好がイマイチ分からなくて、色んなジャンルをちょっとづつ読んでみたけど、結局SFに一番興味があるみたい。
最近何冊か読んだ小川一水もハードSFの新鋭だし。


っていうか、ラノベないしジュブナイル小説とか読みやすい文体のものばかり読んでると、こういったガチガチでグニャ~とした文章読むとそれだけでやられてしまう。
特に『七胴落とし』は『戦闘妖精・雪風』と違って“ワケのわからない世界”なんで酔ってしまいそうだったよ。映像化したら凄いことになりそう。

現実と虚構の区別がつかない世界は、砂上の楼閣の上でブレイクダンスを踊っているようで、もの凄く自分を不安にさせる。
映画だったら『アンダルシアの犬』、アニメだったら今敏の『パプリカ(筒井康隆の原作も)』『妄想代理人』、あるいは『エヴァンゲリオン』の最後のほう、小説だったら内田百閒の短編。
そういった作品はホラーと違った恐怖を感じながら、とても魅力的だったりする。

どこからが現実で、どこからが幻なのか。この作品でもまったく分からない。もしかしたら全部現実なのか、全てが妄想なのか。
何故、七胴落としは家にあったのかー。分からない分からない。

そもそも設定の基礎の“予備校”が曲者。ここで言う予備校とは高校を卒業していながら感応力を失っていない少年少女をある種監視するための場所。

この世界では子供と大人は明確に区別されている。感応力があるかないか。

と少なくとも三日月は思ってる。大人は醜いと唾棄しつつ、自分が大人になることに激しい恐怖心をいだいている。
要は彼は餓鬼なんだよね。周りの大人もそれを知っている。けど彼は頑なに認めず、相手をただひたすらになめている。
筒井康隆の『愛のひだりがわ』では不思議な力を子供の能力として、それを喪失することこそが大人になることだったけど、感応力の有無は、実は些細なことに過ぎないんだと思う。体が大人になる過程の変化の一つにすぎないんじゃないだろうか。
感応力があっても大人となっている人もいるし、いくつになっても子供のままの人もいる。(皮肉なことに三日月自体がそれを証明することに)。

にも関わらず三日月が感応力に固執して、“大人”になることに恐怖するのは力を失うことに恐れていたのではなく、自分という存在の小ささを実感させられる大人の世界へ入ることへの不安と、また自分がなめられる立場になることへの焦り、要はプライドがためだったのだと思う。

正直なところ、自分はあまり「大人は汚い」とか「大人になりたくない」とかあまり思うタイプじゃなかった。まぁ別に大人を尊敬していたわけでもないけど、子供と大人をあまり区分するような子供ではなかったと記憶している。必ずしもポジティブな理由からでもないが、大人になることに嫌悪感はなかったし、今でもない。
といってもいまだに大人になりきれず、ウダウダやってるんであまり大したことは言えないけど…。

まぁ話がそれたけど、何が言いたかったかと言うと、三日月に全く共感できなかったということが言いたかったんだよね。まったく共感できないけど、どうなるのか気になって読み出したら止まらなかった。


誕生日おめでとう。

その扉の一言が印象的だった。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-27 01:24 | 小説

『ネムルバカ』

石黒正数のサイン会行ってきたぞ~!

今までイベントごとに参加することは滅多に無かったんだけど、ある日突然好きな漫画家のサイン会に行かないことは猛烈に損だと気づく。
そんな折に石黒正数のサイン会の告知をHPで発見。

好きな漫画は数多あれど、『それでも町は廻っている』は相当好きな漫画であり、無事予約が取れたときは小躍りするほど嬉しかった。

で、今日。
元来あがり症なもので、自分の順番が近づいてくると緊張して手から汗が止まらない。
しかもてっきりタイトルのカラーページのところにサインしていただくだけだと思い込み、表紙の裏のところにイラストを入れてもらえるなど想定していなかったため、表紙を劣化防止用のカバーで思いっきり固定するという大ミスをしでかす。(結局最終ページの空白のところにイラストをいれてもらう)
っていうか今にして思えば帽子被ったままだったし。
なんかホントすいませんな感じではあったけど、とにかく無事石黒正数先生に会えて良かったよ。
春休みは冬目景先生のサイン本を買ったり、桐幡歩先生から返事をいただいたり、今敏監督にサインをもらったりと漫画・アニメに関する腰が抜けそうなほど嬉しいイベントが続いたけど、石黒先生のサイン会で締めくくられたのは最高だよ☆。


して今日のサイン会の対象だった『ネムルバカ』について。

『ネムルバカ』は大学の寮で二人で暮らす先輩・鯨井ルカと後輩・入巣柚実の“青春”を描く作品で、COMICリュウで連載。全1巻。

おそらくネタばれすると思います。未読の方はお気をつけください。

『それ町』に比べてかなりシリアスな仕上がりになってると思う。
最初のころは、『それ町』テイストの日常コメディーだったんだけど、風向きが変わり始めたのが第5話「チテイジン」。
この話もまだ笑いの要素も入っているけど、将来とか生きる目標といった漠然とした不安が目に見えて現れてくる。

「やりたいことのある人とやりたいことがない人の間に、何かしたいけど何が出来るのか分からない人ってカテゴリーがあって 8割方そこに属してると思うんだがね」
入巣の同級生のセリフより。
思いっきり大学生の自分としては、かなりきついセリフだ。
果たして自分はやりたいことをやっているのか?目標に向かって進んでいるのか?
思い返せば小学生の時は「漫画家になる!」と真剣に思っていた。まぁ路線変更を繰り返して今に至るわけだけど、将来のことはあまり考えたいものじゃないね。


6話で音楽で生きていこうとしていた鯨井が突然成功の道を歩み始めていくが、それは本来望んでいた形ではなかった。そして最終話ー。

6話のタイトル「ジンゾウニンゲン」=人造人間。目標に向かって生きていた鯨井に対してあまりにも悲しい肩書きだと思う。

やっぱりネタばれするわ。

最後ライブの会場から鯨井は脱走を遂げる。

自分が石黒作品が良いなぁと思うのは、演出の面で相当あの手この手を駆使しているところなんだよね。
脱走する直前、入巣には鯨井が自分に何かを言ったように見えたんだけど、何を語ったかは劇中明らかにされないんだよね。
答えはタイトルに。最終話「ゲンキデネ」=元気でね。

脱走後の次のページでは場面変わった寮の部屋に。そこでは第1話で部屋なされた入巣と鯨井の会話が再度なされているわけですよ。
ここで読者は「あぁ鯨井は帰ってきたんだ」と思うわけだけど、実はそれは“先輩”になった入巣と同室になった後輩の間でなされた会話だったという裏切りに会うことになる。


しかも読み返すと、第1話のオープニングの時点で、鯨井の失踪は予告されてるんだよね。第1話が鯨井が家出をして即見つかるという話だったから完璧騙されてたけど、あれは最終話につながってたんだねぇ。



物語の中で一番印象的だったのが鯨井が、“壁”の横のドアをくぐって反対側に抜けっていった場面。
この“壁”は心象として出てくるもので、成功を得るために、ぶつかった壁を打ち破ろうと必死になっていた象徴だった。しかし全ての努力を否定するようなドアを抜けて鯨井は反対側へと行ってしまう。
なんて切ない場面だろう!


今月号のリュウで番外編が掲載。
またしても作者に騙された。後日談だと思ってたのに!
2年前の鯨井は、モデルとなっている『それ町』の紺双葉とほぼ同じ。やっぱり髪の毛短いほうが可愛いと思うんですが、どうでしょう?

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by dentaku_no_uta | 2008-03-23 22:48 | マンガ

『時砂の王』

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小説の欄を作っておきながら、『第六大陸』から更新されることはなく。
久しぶりに更新。

今回も小川一水です。

西暦248年、不気味な物の怪に襲われた邪馬台国の女王・卑弥呼を救った“使いの王”は、彼女の想像を絶する物語を語る。2300年後の未来において、謎の増殖型戦闘機械群により地球は壊滅、さらに人類の完全殲滅を狙う機械群を追って、彼ら人工知性体たちは絶望的な時間遡行戦を開始した。そして3世紀の邪馬台国こそが、全人類史の存亡を懸けた最終防衛線であるとー。(裏表紙より)

まずは表紙にやられた感じだったな。いかにも未来なボディースーツを着た男の横に立つ古代日本人の女性。
自分は古代日本に対してロマンを抱くタイプの人間らしい笑。


この『時砂の王』で小川一水作品は『老ヴォールの惑星』『導きの星』『強救戦艦メデューシン』『第六大陸』『イカロスの誕生日』に続いて6作品10冊目なんだけど、今までの中で一番面白かったな。
まぁもともとSFのジャンルの中では時間ものが一番好きだってのはあると思うけど。
いわゆる時間SFの論理が破綻した時点で終了な上に、解決しても「ん?ん?」って不思議な感覚になるところが好き。
といっても『涼宮ハルヒ』だったり映画『サマータイムマシーン・ブルース』くらいの軽さのものが好きで本格的なものはあまり読んだことないんだけどさ笑。


今まで小川一水の作品読んでると、面白いんだけどラストが綺麗事だらけになっちゃうのがどうかなぁと思ってたんだよ。
こう何ていうか、キャラクターが清すぎるんだよね。清濁合わせ飲む迫力が無いっていうか。

『時砂の王』は明確な敵キャラが最後まで出てくるから、骨太感がグッと上がったと思う。

特徴だった細々と色んなことにまで描く文章が今回は随分あっさりになっている。あの細かさはあれで良いと思ってたんだけど、ばっさり切ると相当読みやすい。
ページ数も280ページとコンパクトで良い。


あぁ、それにラストが熱い!スペクタクルものの映画のようだ!
戦闘シーンで卑弥呼が魅せるリーダーっぷりに胸が熱くなるぜよ。

こんな風に卑弥呼をお転婆の少女として描く作品も珍しいよね。

SF大好きな人からすると、時間枝の諸々に物足りなさがあるみたいだけど、オレのレベルからすると、かなりよく出来た作品だと思う。

興味ある人は読んでみてください。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-21 00:32 | 小説

『それでも町は廻っている』(4)

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これまた大好きなマンガについて。

通称『それ町』はヤングキングアワーズで連載中の石黒正数の作品。19日に4巻が発売された。

流行に乗って突如メイド喫茶になった喫茶店「シーサイド」でバイトする嵐山歩鳥と町の人々や学校の友人たちの日常を描くコメディー。

絵的にも内容的にも極めて明快で、誰でも楽しめるマンガだと思う。

ただ作品自体には明確なテーマがあり、各巻のあとがきで作者の短い解説がついている。
ちなみに4巻のテーマは「日常を保つ」。

そもそも作品のタイトルは2巻に収録された連作から来てるもののはずだけど、その内容が車に轢かれて歩鳥が死後の世界へ行ってしまうというもの(結局は生き返るが)。
それでも町は廻っている
決して単純なコメディーじゃないんだよね。

かといって複雑かつ重たい話では全くもって無いんだけど。

このマンガを「深い」というのは安直すぎる気が。

総合文芸誌ダ・ヴィンチに『よつばと!』を読んで泣く人がいるとか書いてあったはずだけど、その感覚に近いものがあるんだと思う。


まぁ4巻収録の「一パイのミシンそば」とかは分かりやすく泣ける話なんだけど、それだけじゃなくて。
例えば2巻の「ナイトウォーカー」は夜の町を歩鳥が弟・タケルと徘徊するだけの話。ただその姉弟の仲の良さみたいなモノが、何かジンワリと来るんだよね。
なんだろう?過ぎ去った日々みたいな?いや違うか。

文化庁メディア芸術祭の推薦作品としてインタビューで石黒氏は「何度でも読めるように意識的に嫌な人間を描かないようにしている」と語っている。
うん、確かになかなかに気持ちの良い作品だと思う。


作中に張り巡らされた小ネタも魅力の一つ。小物や人物に色々と遊びの要素が入っているのが面白い☆。

e0128729_0484468.jpgちなみに同時に徳間書店から『ネムルバカ』が同時発売。こちらは『それ町』とは違ってコメディー要素がかなり抑えられた作品。
どこに向かうか分からない不安の中に暮らす大学生の先輩・後輩のお話。
この二人は『それ町』のキャラの紺双葉と歩鳥と姿が似ていてちょっとしたパラレルワールドが構成されている。(ついでに後輩の名前はイリス ユミでアラシヤマを一音づつずらしたもの)
こちらもおススメ☆。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-20 00:44 | マンガ

『ももんち』

今日3度目の更新。

今日発売のスピリッツにようやく載ったね、第2話。次回は冬ですと言われて7ヶ月。冬終わっちゃったけど、無事続きが読めました。
ホントに冬目景のマンガが好きで好きでたまらない。続きが読めるだけでテンションが馬鹿高くなる。

『ももんち』は冬目景の中でも異色作っていうか、新しいジャンルに挑戦している作品ってコトになると思う。
まぁ中身的には『イエスタデイをうたって』に通じる白タイプの冬目作品なんだけど、今までになかったのが主人公が女の子ってことである。
さらに言えば、ここまでポ~としてて可愛らしい女の子は今までの作品にはあまりいなかった。いつもは活発だったり、きついところのある人が多かったから。
『羊のうた』の八重樫さんを明るくしたような感じかな、見た目的にも。結構少女マンガっぽい。


今回のところで、『イエうた』との関係性がかなり明確になった。
もともと主人公・桃寧が通う予備校が浪君が通う予備校と同じなのは分かってたんだけど、桃寧の友人の夏樹が『イエうた』5巻に出てきた夏樹と同一人物なのかまでは明らかにされてなかった。
今回、夏樹の彼氏が出てきたことではっきりした。同一人物だよ、間違いなく。
『イエうた』だとわかんなかったけど、5巻の夏樹のエピソード時、夏樹は高一だったことも明らかになって時系列も明瞭に。

『ももんち』の話は『イエうた』の5巻からは3年後。『羊のうた』の一連の出来事の4年後を舞台にしている。
ってことで、ハルちゃんはおそらく24歳、一砂や八重樫さんはおそらく20歳になっていると予想される。(木ノ下楼子を基準に測定。一砂は楼子の2歳年下、ハルは2歳年上、そして夏樹は3歳年下にあたるはず。それを基に夏樹が浪人していることから計算。この時、『イエうた』や『羊のうた』の面々がどうなってるのか、かなり気になる!)

気の弱そうだった夏樹は出来る女タイプの方に変身。彼氏とは別れてしまいました。『イエうた』の5巻がもの凄く切ない話になってしまった…。

っていうか、ハルちゃんがコーヒーの出前を届けに来るっていう場面は出てこないかなぁ!
まぁ『イエうた』で一度も木ノ下弟出てこないし、多分ないんだろうなぁ。


次回は初夏の予定だそうな。予定通り行くかは未定だけど、激しく続きが読めることを希望。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-18 00:35 | マンガ

『イージー・ライダー』

1969年のアメリカ映画。デニス・ホッパー監督作品。アカデミー賞助演男優賞、脚本賞を受賞したアメリカン・ニューシネマの代表作。

麻薬の密輸で大金を得た2人組の男が謝肉祭を目指してニューオリンズにバイクで自由に旅をしていくが、保守的なアメリカ人に撃たれてしまうっていう話。

『俺たちに明日はない』には拒否感が出たけど、こっちは面白かった!

いわゆる映画の文法的なものからかなり外れた編集してるよね。
なんだ、こりゃ?って感じだったよ。
場面の切り替えのところとかつなぎの場面をタン・タン・タン・タン・ターンのリズムで交互に出して変えたりとか初めてみるやり方だったし。

特に謝肉祭で娼婦と一緒にLSDでラリってる映像は凄かった。ぐにゃ~ってなってて。エヴァのアスカのトラウマのシーンみたいになってた!(分かりにくいですか?)
何か監督自身が解説入れてたけど「キリストが」とか「炎が」とか、申し訳ないがオレには理解できなかった。
ただただインパクトが強い。うん、普通に観るならあんまり理屈は考えなくて良いと思う。

物語性はかなり希薄な仕様。
ちょっとしたエピソードを入れて、旅の映像入れてっていう構成になってるから、とにかくバイクに乗ってるだけの時間が長い!
ロックにのって走るバイクがカッコイイんだよね。
生まれてこの方バイクに乗りたいなんて思ったこともなかったけど、初めてカッコイイなぁと思ったよ。


結局ビリーとキャプテン・アメリカが何者でどういう人生を歩んできたのかも何もわからないまま物語は終わっちゃう。
彼らは“ビリー”や“キャプテン・アメリカ”である前に“自由”なんだと思うんだよね。
これまた分かりにくくさせるだけかもしれないけど、さそうあきらのマンガ『神童』でうたが“音楽”を具現化したキャラだったように。


ビリーを演じたデニス・ホッパーが描きたかったのは物語よりも自由だったんだと思う。

保守派によって自由が文字通り打ち砕かれるラストを迎えるこの映画がヒットしたってことは、当時のアメリカを象徴していたんだろうね。
生まれる20年くらい昔の出来事で想像できないけどベトナム戦争の影響は大きかったんだなぁ。

今売れてるアメリカ映画を観ると、アメリカもまた変わったんだねぇ。


ちなみに劇中出てくるマリファナはホンモノを使用していたという衝撃の事実。犯罪…なんだよね?

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by dentaku_no_uta | 2008-03-17 23:34 | 映画

『Evil Heart』

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武富智というマンガ家をご存知でしょうか。
調べ物に使いまくってるWikipediaで検索しても掲載されてないんで、おそらく相当マイナーなマンガ家であるようだ。

ヤングジャンプ+増刊号を活躍の場としていて、「甘酸っぱい」ないし「切ない」作品が多い。
今回は、良作を描いても知名度がイマイチ上がっていかない武富智の作品のひとつについて。


『Evil Heart』はかなりレアな本格合気道マンガです。そして、おそらく そうであるがゆえに雑誌連載は打ち切られたと考えられる。
3巻「心編」までヤングジャンプでの連載を終了。その後「気編」が書き下ろしで出版、HPによると現在「完結編」を製作中らしい。
ジャンルがマイナー過ぎたねぇ。


だいたいのあらすじを入れとくと、
兄の家庭内暴力から家族を守るために力を欲する中1のウメが、カナダ人教師ダニエルを通じて合気道と出会い成長していく物語といったところかな。

おそらく合気道の精神性をここまで見事に描くマンガはこれまでなかったと思うし、これからも出ないんじゃないだろうか。
そもそも合気道(流派は合気会)には試合すらないわけで、それを舞台に物語を作るのもなかなか難しいはず。
かといって『ホーリーランド』のような格闘系のマンガに合気道を持ち込むのも、あまりしっくりいかないし、現実性もない。

その点『Evil Heart』は個人の成長に合気道の理想を重ねていくことで上手くドラマが構築されている。


これ読んで初めてマンガでマジ泣きしたよ。
めっちゃ面白いよ!マニアックなもの好きな人ならかなりツボにくると思う!

特に「スーパー合気道ガール」鶴が出てきた心編とダニエル先生の過去が明かされる気編は凄く良い!
ストーリーテラーとしての武富智の実力がいかんともなく発揮されている傑作。

実は電卓式、合気道歴20ヶ月で現在2級の合気道青年です。
まぁこのマンガ買ったのが合気道始めた後なんで、「『Evil Heart』読んで合気道始めました!」ってワケじゃないんだけど、はまるきっかけにはなっていると思う。

実際のところ、作中いくつか合気道やってないとキャラの動きや稽古法に伝わりにくいところもあるとは思うけど…。
合気道の理想だけじゃなくて現実もキチンと描かれているし、知らない人にも読んでもらいたいなぁ。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-13 00:41 | マンガ

『いつもポケットにショパン』
昨年『天然コケッコー』が映画化されたくらもちふさこの代表作のひとつ。1980年から1981年まで別冊マーガレットで連載。

タイトルから分かるとおりピアノの漫画です。ピアノを通じて成長していく麻子と季晋を中心とした青春群像劇。


まぁね、もう既に30年近く昔の漫画だから当然、当時のトレンドは廃れてるし(ローラースケートとか)、絵も古くさくはなっちゃいるけど、物語は普遍性があって普通に面白かった。

「音が聞こえてくるような演奏シーン」と評されてるのをどっかで読んだけど、ぶっちゃけて言えばクラシックは比較的好んで聞くほうだけどピアノとか触ったことすらもほぼ無いんで、演奏がリアルに描かれているのかどうかの判断は自分じゃつかないっす。
『のだめ』読んでも『神童』読んでも演奏シーンはかっこいいなぁと思っちゃうし。

もしかしたら剣道部の人が大河の『新撰組』の剣道シーンを観た時のような、あるいはバスケ部の人が『I’ll』の試合のシーンを読んだ時のような切なさをピアノやってる人が読んだら感じるのかも?

ただあまりモノローグを乱発しないで表情と指先のアップを上手く使った演奏の描き方は凄い。

『神童』は文章の使い方上手いなぁと思ったけど、こちらはコマ割とか構図で魅せるところが強いように思われ。


物語は何と言うか「月9のドラマ」っぽい感じと言えば雰囲気は伝わるだろうか?
コンパクトにまとまっていて、トレンディーなラブストーリーなんだよね。
全体的に嫌味がない。
嫌な感じの人もいるし、恋のライバルもいるけど全ては物語が進むにつれて綺麗に収斂していくんで、とても爽やかな読後感。

まさに王道の少女マンガ!
ただ当時の少女マンガは夢物語がほとんどで等身大の少女を描く作品は少なかったということ、またヒーローがミュージシャンと設定された始めての漫画であるということ(あくまでWikipediaの情報です、悪しからず)を考えると、今に残した影響は絶大。

そして、いまだに作者はバリバリの一線で活躍中ということで。巨匠ですね、くらもちふさこ氏。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-11 22:38 | マンガ

3月5日発売の最新刊、今日買ってきました。


やっぱいいなぁ。
前巻までの雰囲気はしっかり守られてる。

5巻になって藤原夫妻の夫のほう滋さんが初登場。特に変わったところのない塔子さんとお似合いのおじさんだったな。
今まで旦那さんが出てこないことを不思議に思ってたけど、その謎は今巻でより深まったよ。
何故引っ張る必要があったんでしょう?f(^_^;)

そして5巻にて初めてメインキャラになりそうな女の子が登場!
徐々に妖だけじゃなくて人との交流を深めていく夏目の交流関係でいまだに空席だった女の子の枠がようやく埋まりそうな感じ?

結構楽しみにしてたんだよね。異性との関わりが夏目をどう変えていくんだろう。

女の子の名前は「多軌透」。基本的には妖は見えないけど、魔方陣みたいなものを描くことで妖を見ることが出来る。
自らにかけられた呪いを解くために夏目やニャンコ先生と奮闘していく。


これで妖と関りのあるキャラクターは田沼、名取、多岐と徐々に増えてきたことで、夏目の孤独は薄れてきた感が出てきた。
成長が目に見えてることでマンネリ化は結構防がれてるね。



とうとうアニメ化するらしい。
この漫画の絵は線が淡いし、そのままアニメ化できるようなタッチじゃないからおそらく絵に結構変化が出そうで若干切ない気分。
まぁ監督は『地獄少女』の大森貴弘ってことで、そこそこ楽しみではあるんだけどさ。

アニメ化記念でサイン会もあるそうですね。
予約は間に合わなかったんで行かないけど。っていうか間に合ったとしても流石に少女マンガの作者のサイン会で野郎一人で行く勇気があったかどうかは微妙だけど。
…いや、行ったか笑。

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by dentaku_no_uta | 2008-03-07 23:53 | マンガ